オブジェクト指向は、Javaを習得したい方には避けて通れない分野の1つですが、つまずく方が多いです。
今回はそんなJavaのオブジェクト指向について、今後の学習がスムーズに進むように解説をしてみました。是非、オブジェクト指向を学び始める前に、こちらを読んでオブジェクト指向とは何かのイメージを掴んでください!
オブジェクト指向を学ぶ理由
開発が進むと、ソースコードが長く複雑になり、どこに何が書かれているのか開発者自身がわからなくなってしまいます。複数のクラスやメソッドに分割することで、多少改善することができますが、ソースコードが数万行を超えると、結局どこに何が書かれているのかわからなくなったり、不具合が発生しやすいプログラムになってしまいます。
そこで誕生したのが、オブジェクト指向という考え方です。この考え方に従い、プログラムを書くことで、巨大なプログラムを管理することができるようになり、大規模なプログラムを楽に開発することができるようになりました。
★POINT★
オブジェクト指向とは…
楽に開発を行えるようにする考え方
学習のコツ
Javaを学び始めて、基本文法は理解できても、オブジェクト指向でつまずく方は多いです。そんな方は、いきなりオブジェクト指向の学習を始めていないでしょうか。オブジェクト指向は、学習意識の切り替えができていないと難しく感じるのです。基本文法とオブジェクト指向では、そもそも学び方がまったく異なります。
学習のポイント
オブジェクト指向を学び始める上で、次の2つのポイントを押さえ学習しましょう。
- 基本文法は、Javaの文法や記述方法
- オブジェクト指向は、基本文法を組み合わせて楽にプログラムを作る方法
オブジェクト指向の定義
オブジェクト指向の定義は、ソフトウェアを開発するときに用いる部品化の考え方のことです。部品化とは、複数のクラスやメソッドに分割したり、複数の部品を組み合わせて、全体として1つのプログラムを作成する手法のことです。
オブジェクト指向のメリット
オブジェクト指向とは、開発者がプログラムの内容を把握しやすくするための考え方です。部品化を行うと、把握のしやすさが向上するだけでなく、次の3つのメリットが生まれます。
- 再利用性
- 拡張性
- 独立性
再利用性は、プログラムの一部を簡単に転用できるようになることを表します。拡張性と独立性は、プログラムの変更が容易になることを表します。
オブジェクト指向を用いたプログラムを作ることで、開発者はプログラムの管理がしやすくなり、不具合が見つかっても修正がしやすくなるのです。
3大機能とは
オブジェクト指向には、開発者がプログラムを作りやすいようにあらかじめ機能が準備されています。それが、オブジェクト指向の3大機能です。
継承
継承とは、クラスの中身である変数やメソッドを、他のクラスに受け継がせることができる機能です。継承を用いることで、再利用性を実現できることができます。
継承は、次のようにextendsを用いることで、クラスBに基づいた新たなクラスAを定義することができます。
public class クラスA extends クラスB{
処理
}
多態性
多態性とは、オブジェクトを大まかにとらえることで、楽して開発ができるようにする機能です。
多態性を用いることで、拡張性を実現することができます。
学習のコツは、「あるものを、ざっくり」と捉えることです。継承によって受け継いだ特徴を派生させることで、異なるインスタンスをまとめて扱えたり、ソースコードの可読性を向上させることができます。
カプセル化
カプセル化とは、フィールドへの読み書きやメソッドの呼び出しを制限させる機能のことです。
カプセル化を用いることで、独立性を実現することができます。
大切な情報や、操作を間違えて使用されないようにしたいとき、カプセル化を使うことでアクセスの制御をすることができます。アクセス制御のレベルは4つに分かれており、アクセス修飾子を変更することでアクセス制御レベルを設定することができます。
まとめ
オブジェクト指向は「考え方」を学びます。そのため、イメージを重視し、繰り返し学習することで、あいまいな理解を徐々に明確にすることが大切です。一度の学習では理解できなくても、何度も学習を繰り返すことによって、理解ができるときが来ます。
オブジェクト指向の考え方を頭に入れた上で、3大機能である継承、多態性、カプセル化を学びましょう。完全に学習することが難しいですが、習得することで開発スキルが向上するだけでなく、Java以外の様々なオブジェクト指向言語の学習にも役立ちます。諦めずに学習し、プログラミングスキルを磨きましょう!